おいしいお菓子とはいい素材を使い、その持ち味を最大限に活かすこと。言葉にするとなんて簡単なことだろう!でも、今のパティスリー界を見ると、それがなかなか難しいことがわかる。藤巻さんのお菓子作りの最大の特徴は、添加物を一切使わず、粉は国産小麦、鹿児島・喜界島の粗糖、食菜卵、バターに至るまで、できるだけ安全で体に優しい素材を使うこと。素材へのこだわり方が彼独自のベクトルなのだ。
「おいしいものを探し続けたら、そうした素材に行きついただけ」と、決して声高には主張しないのが藤巻さんらしい。ケーキの見た目はどれもシンプルで、決して派手さはない。が、一口食べてみると、どれだけ心を砕いているかがよくわかる。ケーキを食べなれた人ほど、その味わいの深さ、微妙な食感のコントラスト、香り高さにハッとさせられるのだ。
さらに、店においてある「レジオン通信」には、食育問題からゴミ・環境問題など、シェフの様々な思いが綴られている。優れた菓子の作り手に徹するより、幅広く世界を知り、菓子を通じてお客さんの幸せも考えたい。その心意気が多くのファンを惹きつけているのだ。ケーキが持つピュアで安らぎに満ちた味わいは、まさに藤巻さんにしか出せない味である。
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