和食器はおもてなし上手

 お客さまをお招きするときは、献立を考えるのと同時に、それぞれの料理をどの器に盛ろうかしら、 というのも悩みのひとつですね。
 このとき意外に重宝するのが「和の器」。和食器の持つ季節感の豊かさ、意匠の妙、工夫次第でさまざまな用途に使える奥深さは、集いをよりいっそう楽しくしてくれます。わざわざよそ行きの器をそろえておかなくても、ふだんから好きなものを上手にコーディネートして、そこにちょっと上等な器をプラスしたり、取り箸や箸置きに凝っただけでも、食卓はぐんと引き立ちます。

 日本の四季の中から生まれた和食器は、折々の節句、家族の祝い事、お茶のひととき……など、 それぞれの場にふさわしい器があり、しつらいがあります。日本は、昔から奥深いおもてなしの心や流儀を育んできた国です。四季折々の風情を盛り込んだやきもの、舌だけでなく、目でも十分に楽しめる大小さまざまな形、色柄、風合の器たち。 いまの暮らしの中で、昔からのきまりごとにきっちり従う必要はないけれど、和の心を生かせば、和の器での集まりは本当に趣豊かなものとなります。

 普段使いの器でも、いつもと違った使い方、たとえば、お盆や折敷にお酒のお通しや前菜をのせたり、ちょっとお茶を、というときにも、上等な茶托にしたり、というだけでも、食卓の表情は格調高くなるものです。
 お料理のほうも、和洋折衷、バラエティ豊かですから、大きめの深鉢はワインクーラーやサラダボウルに活躍しますし、美しい色絵のさらにフランス料理を盛っても、また、お猪口や豆皿をオードブルに使っても素敵です。
 和食器を新しい発想で使いこなす……。それがおもてなし上手の第1歩かもしれません。

 

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