カフェの生みの母はウィーンにあり

 日本ではカフェが大ブーム。今回はそんなカフェのルーツを訪ねてみましょう。

 喫茶店よりもちょっとおしゃれで、おいしい紅茶やコーヒーを飲め、軽い食事もできるところ。それが一般的なカフェのイメージですね。 もともと「カフェ」と聞くと、フランスやイタリアを思い浮かべる方も多いことでしょう。
 ところが、いまあるカフェの形を作ったのはウィーン(オーストリア)だといいます。 ウィーンのカフェの歴史は、1683年の第2回トルコ軍包囲の時代に遡ります。コルシツキーというクロアチア人が、トルコ軍の残していったコーヒー豆を使って、ウィーンで初めてカフェを開いたというのです。コーヒーはあっという間に嗜好品として広まり、多くのカフェを生むことになりました。


 18世紀になると、カフェの数は瞬く間に増えました。人々はカフェで朝刊を読み、それまでは貴族の遊びであったビリヤードに興じました。トランプやチェスで楽しむ者、一日のうちの長い時間を過ごす者。 そのうち、生演奏を売り物にするカフェも現れたのです。 カフェは単にコーヒーを提供しただけではなく居心地の良い気の置けない雰囲気こそが、カフェの最大の魅力でした。 それゆえ、当時の著名な芸術家や政治家達を惹きつけたのでしょう。

 19世紀になると、それぞれのカフェごとに常連がいて、それは政治家であったり、作家であったり、絵描き、金持ち、あるいは自分の家にいては厳しいウィーンの冬に凍えてしまうような不幸な者たちでした。 コーヒー1杯で何時間いても追い出されることがなかったからだそうです。
 ウィーンのカフェの朝は早く、だいたい7時には店が開きます。朝食をカフェでとる人々も多いのです。 フロイトが常連だったカフェ「ランツマン」の朝。背広にネクタイ姿のビジネスマンらで、いつもいっぱいです。市庁舎や国会議事堂がすぐとあって、ここはいまでも政治家の集まるカフェとしても知られています。 それが夕刻になると雰囲気が変わってきます。
時間待ちをする俳優や、華やかな服装をした女性たち、演劇関係者……。 すぐ隣にあるブルク劇場で芝居が始まるのでしょう。24時まで営業しているランツマンには、芝居がはねたあと、興奮冷めやらぬ観客が、ふたたび集まってくることになります。

 ウィーンのカフェを想像しながら、近くのカフェに出かけてみませんか。本を片手にゆったりした時を過ごしてみたいものです。 近くにカフェがなければ、家でたまにはゆっくりコーヒーをいれてみるだけでも、リラックスできるかもしれません。

戻る