ご飯の極意 その1

 シューシュ−と蒸気を上げて、炊けてくる時のあの匂い。ほかほかの湯気と、ツヤツヤ光る銀色の粒…。これに美味しいお味噌汁とたらこでもあったら、もうな〜んにもいらない!ご飯には、人を魅了する不思議な”力”があります。毎日何気なく食べているけれど、炊きたての極上品に出会った時の感動は、言葉にはしがたいほどです。でも毎日食べるものだから、お金や時間をあまりかけられないのも事実です。

 ところが 「そんなことありません。高価なお米じゃなくても、買い方、炊き方のコツさえ身につければ、見違えるほど美味しいご飯にありつけます」と、自信を持って話すのは精米店『スズノブ』(東京・目黒)の若主人・西島豊造さん。そこで今回は、家庭で活かせるコツからお米の最新事情まで、プロに尋ねた「ご飯の極意」を紹介します!

 「”コシヒカリ信仰”の時代はもう終わりですね」と、開口一番に西島さんが驚きの宣言。コシヒカリ、特に新潟・魚沼産は米の人気ランキングでは常にトップを走るスターなのに、どうしてなのでしょう。「品種としての米の寿命は約30年と言われています。昭和31年生まれのコシヒカリはもう45歳。品種としても厳しい時期にきている上に、各産地がコシヒカリの特徴を強く出すことに専念しすぎたため、一部の料理にしか合わなくなっているのです」。
 コシヒカリは粘り、甘み、やわらかさに秀でているのが特徴。おにぎりなどで、ご飯だけを味わうにはいいけれど、おかずと一緒に食べる場合、味付けを濃くしないと料理がご飯の旨味に負けてしまうのだそうです。最近はコシヒカリに続けとばかり、若い作り手によるおいしい新銘柄が続々登場しています。
 
 さらに、西島さんは「お米は料理との相性で選ぶべき」と力説。最近注目のブランドを、料理別に紹介してくれました。
 
油分の多い中華料理は、粘りがありながらも歯ざわり良いの米を使いましょう。例えば、「キヌヒカリ」「はえぬき」「まなむすめ」などがおすすめです。逆に、和食のように繊細な料理には、旨みの主張が強すぎず、食材の旨みを引き出してくれる「ひとめぼれ」「津軽ロマン」「かけはし」「夢あこがれ」などがいいでしょう。ハンバーグ、シチュー、フライなどおかず自体の味が濃い洋食には「ヒノヒカリ」「コシヒカリ」「あきたこまち」といった、甘みや粘りが強いものがベター。そして、カレーやピラフには、「きらら」「たくわえ君」などがいいそうです。手にはいるのならタイ米がベスト。
 今はお米も小さい2kgパックが主流になっており、冷蔵庫に入れれば鮮度が良いままの状態で1ヶ月は保存できます。数種類を常備しておいて、その日の献立に合わせて使い分けてみてはいかが?

 

戻る