チーズの名前にはこんな意味が

 ヨーロッパには1000種におよぶオリジナルチーズがあるといいます。しかし、その名前の付け方はけっこう単純です。たとえば、現在人気の「モッツァレラ」は“引きちぎる”、「ラクレット」は“火にあぶって溶けたところを削る”という、食べ方そのものから命名されたものなのです。

 最も多い命名法は、そのチーズが最初に作られた村や地方の地名がそのまま名前になっているケースです。有名な「カマンベール」はノルマンディ地方にある村の名前であり、「ロックフォール」も村の名前です。

 中には、チーズがヨーロッパ人にとってひとつの食文化となっていることを表す命名もあります。「ブリヤ=サヴァラン」、これは白カビチーズのひとつに付けられた名前ですが、もともとは『美味礼賛』(1825年刊)の著者であり、政治家で美食家だった人物の名前なのです。「マスカルポーネ(スペイン語で絶品)」や「モン・ドール(黄金の山)」「ソレイユ(太陽)」などの名前からも、彼らがチーズを最高の食べ物として考えていた様子が窺えますね。

 「フロマージュ・フルミエ」という名前もよくチーズにつけられますが、これは農家製のチーズという意味です。日本人の感覚では、チーズは工場で大量生産といイメージがあるかもしれませんが、外国では今でも農家が1軒1軒手作りしていることが多いんです。”一家に1チーズ”という感じで、一見同じように見えるチーズでも、家庭によって少しずつ隠し味が違うので、微妙な差が出るのです。

 ほかには「フロマージュ・ド・ムッシュ(ミスター・チーズ)」といチーズもあります。これは19世紀末、自ら「ムッシュ・フロマージュ」と名乗っていた人物により作られたものです。また、チーズの創作にはなにが幸いするかわからないので、「カプリス・デ・デュー(神々のきまぐれ)」というチーズもあります。  

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