沖縄の長寿の秘密は食にあり
 沖縄といえば、日本一の長寿県。その秘密は、琉球王朝の時代から中国の「医食同源」の思想を実践していた郷土料理にあるといいます。

 たとえば、郷土の代表的な家庭料理である「ゴーヤチャンプルー」。この料理に使われるのは、野菜としてのゴーヤ(ニガウリの一種)、豚肉、豆腐をメインに、卵などが加わりますが、これが栄養学的にも優れた組合せなのです。
 
まず、ゴーヤには100グラムあたりの含有量がレモンを凌ぐビタミンC、そしてビタミンAやカリウム、食物繊維などが豊富に含まれています。さらに良質な動物性タンパクとビタミンCが含まれている豚肉、良質な植物性タンパクである豆腐が加わるのですから言うことなし。こうした食材を油で炒めることで、必要な栄養を効率よく摂取できるわけです。
 このように、沖縄の家庭料理は豚肉を中心とした肉、新鮮な魚介類、そして野菜がバランスよく組み合わされているものが多く、全体に塩分もかなり控めです。
 
また、沖縄の名産品で煮込みなどの調味料としてもよく使われる黒砂糖はミネラルを多量に含んでおり、エンプティカロリーといわれる白砂糖に比べ、はるかに健康的な食品です。

 どうして、日本の中でも沖縄だけがこんなにちがうのでしょう?
 沖縄は地理的にも中国、近隣諸国をはじめ点在する東南アジア諸国を結ぶ十字路にあり、古代から文化の交流がさかんでした。その中で、異文化の良さを受け入れながら、独自の文化を創造してきたのです。食文化についても同様でした。沖縄には昔から、輝く太陽を浴びて育った野草や薬用植物が豊富で、これらを自然な形で食生活に取り入れたり、また家畜を食用にしたりしていました。特に豚肉は内臓、血液、顔、耳、足、皮にいたるまですべてを使いこなし、行事食などの伝統料理として今も継承されています。

 終戦直後、配給物資として、アメリカからベーコン、ハム、ソーセージ、ランチョンミートなどの肉製品が輸入されました。もともと食肉文化をもつ沖縄だけに、受け入れるのにさほど時間はかからなかったのでしょう。特にランチョンミートやコンビーフはチャンプルー料理に馴染みやすく現在でも沖縄の家庭料理の重要な食材となっています。また、アメリカ軍の影響はそれだけに留まらず、タコスなるものも登場してきました。もともとはメキシコ料理ですが、これをアレンジし、タコライスという新しい沖縄生まれの料理をあみ出したのです。さらに、本土復帰により納豆などの食習慣や海産物中心の形態が普及し、日本食を好む色彩も濃厚になって来ました。
 いつの時代もそうであったように、沖縄は外の文化も受け入れながら自らの生活にうまく融合していく、いわゆるチャンプルー文化をいつもつくり育てているのです。

 ちょっと不思議な沖縄料理、最近では、沖縄の食材も簡単に手に入るようになったので、みなさんも家庭料理に取り入れてみてはいかがでしょう?


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