女性の味方、バレンタインの秘密

 みなさんは、バレンタインってどんな人だかご存知ですか。「たぶん、キリスト教の聖人でしょう」? そう、当たりです!

 そもそものバレンタインの始まりは、3世紀までさかのぼります。時のローマ皇帝クラウディウスは、外国に遠征する兵士が結婚することを禁じていました。これは、結婚して妻ができると、思い切って戦えないと判断したため。これに反対したバレンタイン司祭が皇帝の怒りを買って処刑されたのが2月14日だったのです。

 でも、それだけでは、いまのバレンタイン・デーとは何の関係もありません。実は、バレンタインは、処刑されるまでの間、獄中でも看守たちに神の愛を語っていました。言い伝えによると、ある看守に目の不自由な娘がいて、バレンタインと親しくなり、処刑される直前に「あなたのバレンタインより」と署名した手紙を彼女に残したそうです。
 そのうち、若い男性が自分の好きな女性に、愛の気持ちをつづった手紙を2月14日に出すようになり、これが次第に広まって行きました。現存する最古のものは、1400年代初頭にロンドン塔に幽閉されていたフランスの詩人が妻に書いたもので、大英博物館に保存されています。

 そしてときが経つにつれ、手紙のかわりにカードが使われることも多くなりました。バレンタインがしたように「あなたのバレンタインより」(From Your Valentine)と書いたり、「わたしのバレンタインになって」(Be My Valentine)と書いたりすることもあります。現在アメリカでは、クリスマス・カードの次に多く交換されているそうです。

 日本にバレンタインが入ってきたのは1936年のこと。この頃にはすでに、ヨーロッパ各地で愛を告白する日として広まっていました。神戸のチョコレート製造会社である『モロゾフ』が、初めてこの習慣を日本に紹介したのです。そして、愛を告白に添える贈り物として、チョコレートを推薦したわけです。
 
ただ愛を告白するというだけでなく、「女性から告白できる日」としたところがミソ。当時の日本では、まだ男尊女卑の風習が強かったので、女性が愛を告白するのは「はしたないこと」という意識がありました。日本のバレンタインは、そんな女性たちに、自分から愛を伝えるきっかけを作ってくれたのでした。
 ただ「女性が愛を告白する」のには、かなりの抵抗があったようで、最初はなかなか普及しなかったといいます。それが、甘くて苦いチョコレートの助けを借りて、日本のビッグイベントの一つに育っていったのです。



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