キムチの赤色は日本のおかげ
 キムチの色といえば、普通「赤」と連想しますが、キムチは初めから赤かったわけではないそうです。
 
 もともと、野菜の貯蔵法として塩漬けの発見がキムチの始まり。これが中国、韓国、日本やその他の国々の風土に合う貯蔵法に変遷して発達してきたのです。朝鮮半島では高句麗、百済、新羅の三国時代に各種の発酵食品が発達したといわれていますが、塩で保存した野菜が時代とともに発酵した漬物へと変化していきます。14世紀には、塩、醤油、酢、米粉、穀物、酒粕、香辛料などで調味、発酵させた各種のキムチが登場します。ちなみにキムチは塩漬けした状態から「沈菜」と呼ばれ、時代を経て「キムチ」へと変化したそう。つまり、この頃のキムチは白かったのですね。
 16世紀に、日本から朝鮮半島に唐辛子が伝わりました。高価な胡椒の代わりに、栽培しやすい唐辛子が料理に徐々に使われ始め、18世紀にはキムチにも使われるようになりました。ここで白いキムチが赤いキムチへと大きな変化をとげたのです。

 韓国の土壌に合った唐辛子は「辛さ」だけでなく、「味」にも変化を与えていきます。味に旨みと奥行きのある優良唐辛子は、韓国の食卓に赤い料理を増やしました。ビタミンA、Cなどを多量に含む唐辛子は、キムチの発酵を促す乳酸菌の発育を助け、脂肪の酸敗を防ぐことから、副材料として塩辛も用いられるようになりました。唐辛子の使用は、キムチの色味を変えただけでなく動物性と植物性の栄養素を絶妙に融合させ、調和の取れたおいしい味へと画期的に変革させたのです。
 キムチを常食している韓国の人に、目や歯が悪い人が少なく、また皮膚もきれいなのは、キムチの中の唐辛子のビタミンA、C、にんにくのビタミンB1などの作用によるといわれています。


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