日本のクリスマスケーキは邪道!?

 日本でクリスマスケーキというと、カステラの上をクリームとイチゴで飾ったケーキがお馴染みですね。でも実はこのタイプは、伝統的なクリスマスケーキではないそうです。つまり、キリスト教国ではあまりお目にかかりません。どちらかというと、それらの国ではイギリスのプラムケーキに代表されるように、早くから準備して、日もちのするようなものが主流となっています。これは、欧米のクリスマスというのが、日本のお正月と同じように、遠くで暮らしていた家族が帰ってきて、近況を報告しあう、というもので、日本のおせち料理と同様に、クリスマスケーキも作り置きをしておいて、久し振りに会う家族とはゆっくり過ごすのがクリスマスだからなのです。
 外国の代表的なクリスマスケーキをいくつかご紹介しましょう。

 クリスマス・プディング(プラム・プディングともいいますが、プラムは入っていません)は、レーズンがたっぷり入った、蒸しフルーツケーキ。数週間前には作って、冷暗所に保存し、豊潤になるのを待ちます。中にコインを入れて、だれに当たるかお楽しみ、という余興もあります。

 ドイツのクリスマス・ケーキ、シュトレンも、かなり日もちがききます。これは「坑道」という意味ですが、長い山の形をしていて、上に雪にみたてた粉砂糖がまぶしてあります。木の実やレーズン、ドライフルーツなどを入れて焼き上げたもので、焼いてから2、3週間たってしっとりしてきたところを食べるのがおいしい。これはイブの日に食べるというのではなく、12月中、人が来たからと言っては食べ、一仕事片づいたからと言っては食べています。

 フランスのブッシュ・ド・ノエルは、「ユール(クリスマス)の丸太」という意味です。起源は古く、古代メソポタミアまで遡れるそう。冬至の時、怪物と戦う神を助けるために、人々は怪物を模った木像を作り火で燃やしました。この慣習はずっと守られ、キリスト教の世界でもクリスマスになると、巨木を家に運び、青葉やリボンで飾って、木が乾燥すると燃やされました。ユールの丸太は、魔力を備え、太陽がより明るく輝くのを助けると信じられていたのです。
ただ、このケーキはクリームをかなり使っているので、残念ながらあまり日もちはしません。

 ほんの10年くらい前までは、欧米のクリスマスケーキは、体裁は違っても、かならず家庭で作られるという大前提があったようです。
 みなさん、次のクリスマスはぜひ手作りケーキに挑戦してみてはいかがですか。



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