正月じゃなくても食べたいお雑煮

 「いくら」「あいなめ」「小豆」。これが入っている(全部とは限りません) 日本の伝統的な食事はなんでしょう? 答えは「お雑煮」です。「うちの雑煮はそんなもの入っていない!」とおっしゃる方も多いはず。もちろん、あなたが変わっているわけではありません。

 雑煮は、お正月に日本全国で食べられているものですが、その中身は千差万別。『あるある大事典』というテレビ番組で、全国1万人にアンケート調査をした結果、「お雑煮に入れるもの」として名前の上がった食材は、なんと56種類にものぼったといいます。
 もちろん、その食材の中には、鶏肉やかまぼこ、なると、小松菜、など、「うんうん、うちも同じ」というものもあれば、海老、ホタテ、カレイなど、とても贅沢なものもあります。
 私は横浜出身なので、しょうゆ味の澄まし汁仕立てですが、大学時代、京都の友人は白味噌仕立てのお雑煮だったり、あんこの入ったお雑煮だったり、とみんなで「うちのお雑煮」自慢をしていたことを思い出します。
 雑煮(ざつに)とも読むように、いろいろなものが入ったごった煮を指していたので、基本的には何が入ってもいい、というのがお雑煮。そもそもは、神様に供えた色々な野菜や魚などの縁起の良い食べ物を、餅と一緒に煮て食べたのが始まりと言われています。

 雑煮でお正月を祝う習慣は室町時代に始まったそうです。当時は、神様へのお供えを下ろして食べると日々の生活に新たなパワーが生まれるとされていました。そのため、大晦日の日に神様にお供えしたお餅を、1月1日(元旦)に新鮮な水と新しい火で、海と山の幸をひとつのおなべで煮て食べる慣わしが、お雑煮の始まりだといいます。

 日本人が賢いなあと思うのは、こんな簡単なお雑煮の中に、いろんな栄養素がバランスよく入っていること。お餅はそもそもお米よりも消化されやすく、胃に負担がかからないという特徴があります。これに動物性のタンパク質として、鶏肉、豚肉、魚の切り身、そして植物性のタンパク質として、出し汁のベースになる味噌や油揚げ、お麩などを合わせて摂るようになっています。そして、淡色野菜の大根や白菜、緑黄色野菜としてほうれん草や小松菜、人参や三つ葉など。さらには里芋やじゃがいもを根菜類として入れる。これでビタミン、ミネラル源もばっちりです。

 栄養たっぷりのお雑煮は、出番をお正月だけにしておくのはもったいないかもしれませんね。


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