食べ物には陰性と陽性がある

 夏になると、毎日、真夏日&熱帯夜続きの東京では、熱中症で病院に運ばれる人も増えているとか。どうせなら夏バテのない、健康的で明るく、楽しい日々を過ごしたいものです。今回は、「漢方」という観点から夏とうまく過ごす方法を考えてみましょう。

 まずは、恵みの太陽と仲良く付き合うこと。特にお勧めしたいのは砂場を素足で歩くことです。人間の手足で特に 足指の周りには、内臓と関係の深い大事なツボ(針灸治療に必要な経穴のこと)がたくさんあります。これを刺激 する意味で、素足になるのは、お勧めだそうです。
 漢方では、病因論に、1,内因、2,外因、3,不内外因を考えます。その中で、外因とは、風、寒、暑、湿、火を挙げ るのですが、かつて夏バテの主流は、暑による日射病でした。ところが、最近では、クーラーや冷蔵庫の普及とと もに、寒(冷え)による夏かぜ、頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、腹痛、下痢、食欲不振あるいは神経痛、リウマチの 悪化が目立つといいます。いずれにしても、暑さ寒さを汗腺で調整する能力が衰えて、順応しれきなくなっている と考えるべきでしょう。
 予防法としては、冷たい物、果物、甘い物などを取り過ぎないこと、また腰痛、膝痛などには、「ヘソ」の下に「カイ ロ」を当てて温めたり、入浴したりすることも効果的です。
漢方薬の原料である生薬には、五気(寒熱温涼平)と五味(酸苦甘辛鹹)の性質があり、いろいろ組み合わされて 漢方薬固有の効果を発揮します。私たちが日常食べている食材にも、五気五味があり、体を温める陽性食品、冷 やす陰性食品、あるいは中間のものがあります。

 沖縄を代表する野菜に「ゴーヤー」というのがあります。ゴーヤーは『本草網目』という
古典に、 和名で(つるれいし)、気味は「苦寒」とあります。つまり、体を冷やす作用があるというわけです。従って冷え症タ イプの人がゴーヤー汁を長期間飲むと、冷え症がますます悪化する結果になります。また、熱症タイプの人は、 肉や卵などの食べ過ぎは良くありません。

陰性食品……主に豆腐、穀物、海草、きのこ、いも類、砂糖、葉野菜、ニガウリ、ヘチマ、ヨモギなど。 (長く食べると 冷え症となります。)

陽性食品……野菜中の有色根菜(人参、ゴボウ、レンコン等)動物性食品、食塩など。
(これらを長く食べ続けると熱症となります。)

 陰性食品を乾燥させたり、加熱したり、スイカに塩をつけたり、刺身にワサビを、肉にタマネギを、ウナギに山椒、ショウガを付け合わせるのは、より中性(平)に近付けようとする工夫で、それも先人の知恵です。
 より良い健康的な食養は、その季節のものを中心に、自分自身の体質に合わせて陰陽のバランスを考えながら、腹八分目に、そして気長に食すること。
 医食同源という言葉もあるように、毎日の食事こそ健康にとって大切なのです。

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