チーズ博士に聞いてみよう
7.「白カビタイプのチーズ」その2



カマンベールチーズ発祥の地とされる「カマンベール村」のあるフランス・ノルマンディ地方には、今も伝統的製法を受け継ぐ「カマンベール・ド・ノルマンディAOC」(AOC=原産地呼称統制)と呼ばれるチーズがあります。

ノルマンディ種の牛の無殺菌乳で作られ、乳に存在する様々な乳酸菌と白カビの作用により、土地独特の複雑な風味をもっています。このチーズは熟成が命。はじめはボソボソで酸味と塩気を感じる生地ですが、熟成により外側からなめらかになり、香り、旨みが深まってゆきます。
適湿適温下ならば、チーズの箱に表示された日付(日本では「品質保持期限」とされている日)近くになると、中心部までねっとりとし、表面は少し赤みがかかりツンとしたアンモニア臭が若干感じられます。
白カビチーズはマイルド、という印象をお持ちの方は、個性の強さに驚かれるかも知れません。食事の後半に、赤ワインとじっくり楽しむのに向いたチーズです。「ブリー・ド・モー」という平たい大型チーズも同様の伝統的タイプです。

近年の開発品は、より食べやすい傾向に作られています。しっとりとなめらかな生地に造り、分解力の弱い白カビを選んで用いることで、表面は常に白く美しく、出荷後まもなくからソフトな口当たりで穏やかな風味のチーズとなります。分解によって生じる香りや旨みは乏しくなりますが、その分、原料乳にクリームを加え脂肪分を高めることで、クリームチーズやバターのような「なめらかな美味しさ」を強調しています。「サンタンドレ」や「バラカ」などがそのタイプで、脂肪分が高めの白カビチーズはクリーミーで親しみやすいものが多いです。

スーパーマーケットなどで販売されている、お手頃で賞味期限の長い「カマンベール」は、容器に入れた後に容器ごと加熱殺菌されたもので、白カビ、乳酸菌の働きは止まっていますから、未開封ならば風味は変化しにくくなっています。

山羊乳製の白カビチーズもあります。種類によっては、熟成が進むと白カビに近い部分の風味が強まり、牛乳製より刺激的に感じる場合があります。
白カビタイプは商品の特徴と熟成度を確かめて求めることが大切と言えるでしょう。

日本でも「カマンベール」と呼ばれるチーズが身近な存在になりましたが、実に様々なタイプがあります。次回では、白カビチーズの種類と違いをご説明したいと思います。


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